認知症治療30年の“ケアマネ医師”による介入困難事例へのアプローチ

集まった支援総額:9,720円(税込)

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プロジェクト概要

認知症専門のクリニック、くるみクリニックの院長、西村と申します。

当院は、2002年に開業しました。

開業医になる前は、病院の勤務医をしながら、保健所の相談業務を引き受けていました。

そこでは、アルツハイマー型認知症などの認知症に関する相談がメインでした。本来なら、病気の治療方法や、介護方法の相談は、主治医にすべきだと思っていましたが、多くの患者さんや、そのご家族が、保健所に訪れているのを知り、認知症に取り組む医療のあり方に問題があるのではないかと意識するようになりました。
また、当時は介護保険制度が始まったばかりで、認知症の介護に携わるケアマネージャー、ヘルパーなど、医療関係以外の人々が、認知症に関する情報を十分に持っていないことにも、気づきました。

介護に携わる方々への、もっと積極的な情報提供が必要だと感じました。

ケアマネージャーやヘルパーさんたちが、どんな仕事をして、何に悩んでいるのか分からなければ、適切な情報提供はできません。ですから、開業準備中に、自分自身がケアマネージャーの資格試験にチャレンジしました。そして、実務研修を受けて、介護職の方々と多くの情報交換ができました。また、認知症へのアプローチとして、生活そのものに関わるケアマネージャーの視点を得ることができました。

認知症に携わって30年。認知症専門を掲げて15年。現在は、ケアマネージャーの仕事はしておらず、医師として認知症診療に取り組んでいますが、いくら経験を積んでも、考えさせられることが次々現れます。

特に、「介入困難事例」と言われているような症例では、家族まるごとの問題を抱えているケースが多く、どこから介入していけばいいのか、途方に暮れてしまうようなこともあります。

あるとき、やつれたお嫁さんが、80歳代の姑を連れてきました。ケアマネジャーの方が当院を紹介してくださったケースです。嫁がターゲットの物盗られ妄想、嫁に対する暴言が激しい事例でした。嫁の夫である長男、そして嫁の義姉である長女は、母親の話を鵜呑みにして、一緒になって嫁を責め、嫁は家族の中で孤立していました。診察室で、そのお姑さんに「物忘れはありますか?」と質問し、「全然ありません」とニコニコしながら返事をするのを確認しました。そして、次にお嫁さんと交代してもらいました。お嫁さんには、脳のMRI画像を見せながら、知能検査の結果を話して「アルツハイマーの中期です」と話しました。すると、お嫁さんは「ありがとうございます!」とひとこと言うと、泣き崩れてしまいました。今まで、夫や義姉から、数年間にわたり「お前が悪い」と責められ続けてきたと言うのです。認知症の中核症状、つまり記銘力障害が顕著になるのはお嫁さんの前だけだったので、他の家族に信じてもらえなかったのが原因でした。このような現象は「取り繕い」という症状で、アルツハイマー型認知症には典型的です。「姑を絞め殺して、自殺しようと思っていました」と、告白したので、ここからがスタートでした。うつ状態になっている嫁に対しては、嫁のカルテも作って、カウンセリングと薬物療法を併用し、介護が続けられるように援助しました。嫁に接し方を指導し、他の家族にも来てもらい、症状の表れ方について理解してもらえるように話しました。そして、家族の皆さんが、互いに理解して支えあえるように、ケアマネジャーさんと一緒にサポートしていきました。

認知症は、他の体の病気と違って、症状や問題点が千差万別なのです。診療は「医療の視点」だけでも、「介護の視点」だけでもうまくいかず、その両方が噛み合ってこそ、前に進んでいくものだと思います。

このWEBマガジンでは、私はがこれまでに経験したさまざまな「介入困難事例」を取り上げ、どのようにアプローチしたかを紹介していきます。

認知症に関わって悩んでおられるケアマネジャーの方々や、認知症患者さんの主治医であるジェネラリストの方々に、「こんな考え方もあるんだ」と一つの参考にしていただき、お仕事に前向きに取り組めるお手伝いができればと思っています。「うまくいってないと思っていたけど、これでよかったんだ」と、前向きになっていただけることも、あるかもしれません。

連載では、皆様の日々のお役に立てるよう、なるべく実践に即して語りたいと思います。現在、援助がうまくいかなくてお悩み中の症例がございましたら、「こんな症例はないですか」と編集部までご連絡ください。

よろしくお願いします。

著者プロフィール

1990年横浜市立大学医学部卒業。横浜市立大学医学部神経内科助手、三浦市立病院、七沢リハビリテーション病院脳血管センター神経内科医長、北野朋友会松戸神経内科診療部長を経て現職。所属学会は、日本神経学会、日本神経病理学会、日本認知症学会。日本神経学会認定専門医。

くるみクリニック ホームページ http://www.ne.jp/asahi/kurumiclinic/chikanishimura/

Facebook https://www.facebook.com/kurumiclinic?pnref=lhc

インタビュー①『笑顔とこころでつながる認知症医療』 http://www.egaotokokoro.jp/visit/03/id_033.html

インタビュー②ドクターズ・ファイル  https://doctorsfile.jp/h/12970/

活動報告

【配信予定】ご支援いただいた皆様へ

このたびは、WEBマガジン『認知症治療30年の“ケアマネ医師”による介入困難事例へのアプローチ』へのご支援をいただき、誠にありがとうございます。
おかげさまをもちまして、本プロジェクトを達成することができました!

ご連絡がたいへん遅くなりましたが、第一回は8月1日(水)の配信を予定しております。
連載では、読者のみなさまのお役に立てるよう、なるべく実践に即して語りたいと思います。現在、援助がうまくいかなくてお悩み中の症例がございましたら、
下記メールアドレスへ、件名を「ケアマネ医師へ相談」としてご連絡ください。
fanfare@medica.co.jp

応援メッセージ

いばりこぶたさん

微力ながらサポートいたします。

青年の船 9班さん

凄い取り組みですね。また、ケアマネージャー持ってるドクターって視点が凄く良いと思いました。 余談ですが、母は身体の介護を受けていますが、ケアマネとドクターとの認識のずれと言いますか、身体の状態の把握の相違と言いますか認定見直しのたびにドキドキします。  知香さんご自身もご自愛下さいねm(__)m 微力ですが応援してます

hteraさん

認知症の方、特に周辺症状のある方々への対応の仕方に困っています。ぜひ色々なご経験をアップしていただければ嬉しいですし、職場でも共有していきたいと思います。

部長の大晩年さん

西村先生、素晴らしいprojectを立ち上げて下さり、本当に有難うございます。倶進会東京支部会メーリングリスト会員のご協力も得て発展させられればと、心から支援しております。頑張って下さい‼️
昭和48年卒業 青山キヨミ

まんくんさん

宜しくお願い申し上げます。

認知症治療30年の“ケアマネ医師”による介入困難事例へのアプローチ